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カーボンナノチューブ複合ゴム 海底油田で実験成功 8月26日(水)

リング状の密封用ゴム材を装着した石油探査用の測定装置の部品(左)とセンサー(右)

 信大工学部の遠藤守信教授や日信工業(上田市)などの研究グループは25日、石油探査用パイプに用いる密封用ゴム材に超微細な炭素繊維のカーボンナノチューブ(CNT)を混ぜた高性能の複合ゴムを使い、海底油田でサンプルを採取する実証実験に成功したと発表した。既存のゴム材より優れた高圧、高温への耐性を実証し、従来は不可能だった地中深くでも採掘できるようになる−と説明。実験成功を受け、日信工業と工業用ゴム製品製造のフコク(さいたま市)が年内に複合ゴムの量産体制を確立し、来年4月にも販売を開始する。

 複合ゴムは、研究グループが昨年開発。CNTを混ぜたゴムを“細胞”のような立体構造にすることで、既存のゴム材の1・7倍の圧力、260度の高温にも耐えられるようにした。実証実験を前に改良を加え、“細胞”の形を工夫することで低温は0度まで耐えられる性能を備えた。

 実験は、米国とフランスに本社がある油井探査会社のシュルンベルジェが「世界で最も過酷な環境」(遠藤教授)というメキシコ湾と北海の海底油田で実施。メキシコ湾では圧力が海底1万8千メートルの水圧に相当する180メガパスカル以上、温度235度以上、北海では圧力95メガパスカル以上、温度190度以上(低温はマイナス4度の海底)の条件下で、地層のサンプル採取に成功した。

 実用化に当たり、材料となるCNTは昭和電工(東京)が供給。日信工業とフコクはセンサーを内蔵した測定装置内に海水などが入ることを防ぐリング状の密封用ゴム材から生産を始める。高性能素材として油田開発以外での用途拡大も想定され、複合ゴムの将来的な市場規模は6千億〜1兆円が見込めるという。

 この日都内で会見した遠藤教授は「革新的な性能の複合ゴムの実用化で、採掘が可能な石油の量はほぼ2倍に増える」と説明。「日本のエネルギー戦略に大きく寄与する技術だ」と述べた。

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8月26日(水)の県内ニュース

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